2012年01月27日

僕は友達が少ない 1 / 平坂読

★★★★☆
「いない」のではなく「少ない」のだな

小生が初めて手に取ったライトノベル。
ひとつ前に読んだのが武者小路実篤『友情』(新潮文庫版)だったこともあり、やたら括弧を使った一人称の説明が多少気になったものの、一気に読み進めることができました。
大人になってしまうと、ある程度コミュニケーションに関する耐性がついてきて、友達が少ないことに別にコンプレックスやそれに類するものを抱かぬようにはなってくるが、特に中高においてはハリボテな友人関係だとしても、表面を取り繕うことのほうが大事だったりするという現実を、本作はしっかりと昇華させている。 また、アニメーション化されていない演劇のエピソードでふと思ったのだが、夜空と星奈の掛け合いや行動が、アダムス・ファミリー2において、サマーキャンプに厄介払いされたウェンズデーとパグズリーが一日中ディズニー映画のビデオを見せられる『拷問』を受けたり、ネイティヴ・アメリカンに扮してキャンプを急襲するくだりを彷彿とさせる。

本作の対象者は高校時代、朝学校に来て夕方に下校するまで、一言も発したことがない状態が一週間続いた人向けですな。
あ、これは本作で描かれているエピソードではありません。 小生の実話ですけど何か問題でも?

2012年01月16日

よつばと! 4 / あずまきよひこ

★★★★★
バドミントン、ニジマス釣り、失恋、ラジオ体操、新聞そしてつくつくぼうし

たたいてかぶってじゃんけんポンでとーちゃんにパーを要求したり、白い絵の具を水で溶いた『牛乳』をとーちゃんに飲ませたり、無邪気に風花に失恋の傷口にニジマスよろしく塩をすり込ませるようなダメージを与えたりと、よつばの『小さい子どもあるある』を凝縮した感じもさることながら、よつばと真正面から本気で向き合う、大人になりきれていない男たち(とーちゃんとジャンボ)の姿が可笑しくて仕方が無い。彼らのライフスタイルは、ある意味羨ましくはあるが。

2012年01月15日

TVアニメ「アマガミSS」 ENDING THEME COLLECTION / Various

★★★★★
軽度にアディクトしている紳士・淑女の皆さま向き

タイトルのとおり、2010年下半期に放送された「アマガミ」のアニメーション化作品「アマガミSS」のエンディングテーマと、シングル発売時のカップリングを一枚のディスクに収めたものです。
各章4話完結×6ヒロイン+1話完結×2ヒロインという珍しい構成により、各ヒロインごとにエンディングテーマが変わることとなり、結果として生まれたのがこのアルバムということなのでしょう。
ぶっちゃけ、シングルをコンプリートしている紳士・淑女のみなさまにおいては、Rip, Mix, Burnすれば(お察しください)、全く同じものが出来上がるわけですが、逆に言えばそれ以外の、軽度にアディクトしている紳士・淑女のみなさま向けのものかと。
Blu-ray/DVDのオーディオコメンタリーで監督の平池氏がことあるたびにエンディングテーマ制作の大変さを説いていましたが、タイトなスケジュールでありながら、一般的な他作品のキャラクターソングと比べ、総じて楽曲のクオリティは高いものになっています。

文は一行目から書かなくていい 検索、コピペ時代の文章術 / 藤原智美

★★★★★
他人が読みやすい文章とは何か?を分かりやすく説明している良書

著者自らの経験により会得した、いかにして他人が読みやすく、分かりやすい文章を書いていくか?というノウハウを、読み手である小生が、『おいおい、そこまで手の内を晒しても大丈夫なのかよ?』と余計な心配をしてしまうほど、余すことなく紹介している。

具体的には、視点をぶれさせない。また、視線が三人称(神視点)だと、本来ならば隠すべき部分が見えてしまい、しらけてしまうので避ける、人とは違う視点で物事を見てみる、安易に形容詞を使わず、共有しやすい物差しを使うなどといった表現方法を、筆者の経験や、他者の作品を具体例に挙げながら説明したり、モチベーションを維持しながら文章を継続して書き続けるための方法を指南している。
しかしながら、いわゆる『小説の書き方』の類に書かれているようなよくある小手先のテクニックではなく、会得するのには少し時間は掛かりそうだが、自身の血となり骨となるようなアドヴァイスが詰まっているので、小説家や記者でなくても、仕事で何かしらの文章を書く機会がある方は一読されることをお薦めする。

2012年01月13日

よつばと! 3 / あずまきよひこ

★★★★★
小さな花火、四葉のクローバー、お花、動物園、フィアット・パンダ(てつだからもえない)そして大きな花火

本巻に限らず、本作品のすべてのおはなしに共通していることだが、よつばがトライアルアンドエラーを繰り返しながらも、少しずつ知識を吸収していく姿が丁寧かつ巧妙に描かれており、一作を描きあげるのにかなりの時間を要していることが容易に想像できる。
肝心のおはなしについてですが、個人的には第17話「よつばとフラワー」でバスに乗ってしまうよつばに風香が驚いてしまうくだりで小生の幼少期、独りで西武バスに乗り込み、次のバス停で降り、パトカーの後部座席に乗って帰ったという自身のエピソード(もちろん実話)とオーバーラップし、思わず吹いてしまいました。

2011年11月07日

神様のいたずら / 中島愛

★★★★★
夢の行き先はそれぞれでも決してひとりじゃないよね

歌詞に描かれている情景そしてストリングスを中心としたアレンジメントが、エンディングテーマとして使われている『たまゆら~hitotose~』のストーリーや主人公の生い立ち、広島・竹原の風景と楽曲がオーバーラップし、さらには自身の十代の時の経験とストーリーに対する憧憬の念も重なってか、楽曲を聴いて久々に胸が熱くなりました。
あと、大江千里氏が今でも活躍されていらっしゃることに安心しました。

2011年11月04日

12Vバッテリードライバドリル特別セットPSR12VE / BOSCH

★★★★★
DIYには必要十分な性能

12Vと、アマチュアがDIY作業するのに必要なパワーを有し、しかもバッテリーが2個付属し、更に本来なら一般的によく用いられるドリルビットも付いて、実売価格が\10,000を切る(購入日;2011年10月25日現在。価格は予告なく変更する場合があります)と言うコストパフォーマンスの高さに魅せられて購入。それぞれを小売店で別々に買うよりもかなり安い値段で買うことができます。
実際に使用してみても、決して期待を裏切ることも、ストレスを感じさせることも無く作業を進めることができました。
フル充電までの時間も短く、バッテリーを2個併用することにより作業の流れが途切れることもありません。

日常(七) / あらゐけいいち

★★★★★
自分自身のコモンセンスが問われる第七巻

メインの登場人物から離れたところで、サブキャラがフィーチャーされている『囲碁サッカー』の話の意図について分かってきたのは、これは一般的な日本人が持ち合わせていないコモンセンスに係る事柄に、一般的な日本人が接したらどうなるか?という、ある意味ひねくれたあるあるネタを作者は提示してみたかったのではなかろうか。と勝手に想像しております。現実世界の日本においては、おそらく「クリケット」「スヌーカー」「ペタンク」あたりが『囲碁サッカー』に相当するものなのかも知れません。実在はするけれど、それを知る者以外には皆目意味不明であるという点では共通していますから。そういう意味では『囲碁サッカー』の話は単なるエキセントリックなエピソードではなく、形は違えど誰にでも起こりうる話と言うことになります。下手に実在するマイナーな競技を取り上げて、ごく稀にいるその道のスペシャリストに揚げ足を取られるより、ゼロから新しいものを作ってしまった方がかえってやりやすいでしょうし、それどころか作者の中で、絶対に表に出さない裏設定がまだまだあるのやも知れませんね。

日常(六)オリジナルアニメーションDVD付き限定版 / あらゐけいいち

★★★★★
みおちゃんはPCを持ってないのでComic Studioはムダだなぁ…の第六巻

日常の88における、みおとゆっこが外国人に話しかけられてあわわあわわするシーンは、様々な漫画でよく見られるシーンではあるが、このテのエピソードの定番である英語をあえて使わず、タイ語とアラビア語を使ったのは、読者を確実に混乱させるためでしょう。英語だったら読める人なんていくらでもいますしね。
擬音語(例:フェっちゃんの「フロフロフロフロ」や桜井誠に放り出される泉の「ぺっ」など)・擬態語(例:「コツゼン」)・コンパリソン(例:中村先生のハートビート)の独特さと発想に感服。
これは勝手な推測ですが、日常の102においては、シュールなものに挑もうとして失敗するパターンを呈示することにより、本作がシュールな作品だと認識している読者に故意に混乱を与えているのではなかろうかと。
通常版の表紙がみさと、ウェボシー、フェっちゃんですが、特別版の表紙は猥雑な部屋で過ごすプリンセス・フェイ・スターラですので、気になる方は両方入手されては如何でしょう。
特別版のアニメーションは、原作には無いオリジナルストーリーが展開されています。これはTV版制作前のパイロット版だったのでしょうか。
あと、大工バーガーのBUTABARAバーガーはカロリー高そう。

2011年10月04日

それでも町は廻っている 9 / 石黒正数

★★★★★
自分のこととなるとなぁ…

相変わらず『心はロンリー気持ちは「…」』を彷彿とさせる小ネタやメタファーの数々は健在です。 小ネタが健在なだけに、目次と、実際の話数にズレが生じているのはネタなのか初版のみの誤植なのか全く見当がつきません(苦笑)。 それはともかく、以前からちょくちょく触れていた、「真田君に惚れられていることに気付かず、物事を間違った方向に捉えてしまう歩鳥」の姿が、この第9巻において強調されています。

第71話(歩く鳥)は、本作のエピソードを大きく「スラップスティックコメディ系」「探偵・SF(すこしふしぎ)系」「ハートウォーミング系」(勝手に命名しました)の3つに分けるとしたら、「ハートウォーミング系」のベストではなかろうかと。図らずとも、歩鳥は結果的に双葉のことを救うことになるのだが、歩鳥が感じる双葉との距離感と、双葉が感じる歩鳥への距離感のズレの描き方が秀逸。

第72話(嘘つきリッちゃんの亡霊)は、見切り発車になりがちな子どもの妄想が見事に一つのストーリーとして完成していく様子は、産みの苦しみで作者が苦悶する姿が想像できるほどに「巧い」おはなしです。

第73話(森秋 夜空に散る)は、初期の作品で見られた森秋先生と西先生の関係に踏み込んだおはなし。このフラグの回収も近いのでしょうか。

漫画は雑誌掲載時には読まず、単行本で読む派なので、アニメーション化当時、単行本未収録だった第70話(大人買い計画)の原作をようやく読むことができました。
嗚呼、第2期アニメーション化されねぇかなぁ...。

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