グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換 / ニコラス・P・サリバン 東方雅美 渡部典子(訳)
| ★★★★★ 本当の意味の「援助」とは? 昔、エジプトに行った時に現地の子どもに「1ポンドプリーズ」と声を掛けられた時、どうすれば良いか分からず、ガン無視してしまった事があった。
それに対する一つの答えが、低額の融資を行ない、貧困脱出の足がかりをつかませるグラミン銀行のマイクロローンであり、バングラディシュではインフラ不足であるが故、手に入りづらかった電話を時間貸し携帯電話という形で身近なものにし、多くの人々の「一日仕事」を「ほんの数分の労力」に変え、経済的に自立した女性の時間貸し電話屋を生んだ「グラミンフォン」である。
このモデルは、孟子の言葉を借りれば「魚を与えるのではなく、魚の取り方を教える」ということそのものであり、破綻寸前の藩の財政を立て直すべく、養蚕・織物・製陶と新しい産業を興した米沢藩主上杉鷹山や、明治時代に長崎・外海(そとめ)で技術屋でもあったマルク・マリー・ド・ロ神父があらゆる技術を地元に伝えた事にも通じるものがあるかと。
また、同じような事を自分に応用させることが出来る。 例えば、自炊やアイロンがけを自分で行なう事が出来るのは素晴らしい事だが、一方で本来やりたかった事に時間を費やせず、実現させたい事が先延ばしになっていた。 それを避けるためには外食をし、シャツをクリーニングに出すことにより、自分のリソースを自分のために費やす事が出来るようにした。こう考えると、外食やクリーニングは決して贅沢なものではなく、経済的な選択である事が分かるだろう。バングラディシュの人にとっても携帯電話は決して贅沢なものでは無いのだ。 |