それでも町は廻っている 9 / 石黒正数
| ★★★★★ 自分のこととなるとなぁ… 相変わらず『心はロンリー気持ちは「…」』を彷彿とさせる小ネタやメタファーの数々は健在です。 小ネタが健在なだけに、目次と、実際の話数にズレが生じているのはネタなのか初版のみの誤植なのか全く見当がつきません(苦笑)。 それはともかく、以前からちょくちょく触れていた、「真田君に惚れられていることに気付かず、物事を間違った方向に捉えてしまう歩鳥」の姿が、この第9巻において強調されています。 第71話(歩く鳥)は、本作のエピソードを大きく「スラップスティックコメディ系」「探偵・SF(すこしふしぎ)系」「ハートウォーミング系」(勝手に命名しました)の3つに分けるとしたら、「ハートウォーミング系」のベストではなかろうかと。図らずとも、歩鳥は結果的に双葉のことを救うことになるのだが、歩鳥が感じる双葉との距離感と、双葉が感じる歩鳥への距離感のズレの描き方が秀逸。 第72話(嘘つきリッちゃんの亡霊)は、見切り発車になりがちな子どもの妄想が見事に一つのストーリーとして完成していく様子は、産みの苦しみで作者が苦悶する姿が想像できるほどに「巧い」おはなしです。 第73話(森秋 夜空に散る)は、初期の作品で見られた森秋先生と西先生の関係に踏み込んだおはなし。このフラグの回収も近いのでしょうか。 漫画は雑誌掲載時には読まず、単行本で読む派なので、アニメーション化当時、単行本未収録だった第70話(大人買い計画)の原作をようやく読むことができました。 嗚呼、第2期アニメーション化されねぇかなぁ...。 |