あなたの町の都市伝鬼 / 聴猫芝居
| ★★★★★ 民俗学コメディあらわる? 民俗学者を目指し、都市伝説の編纂をすることとなった高校生の主人公・八坂出雲のもとに、自分の記録を残してもらうべく、都市伝鬼と名乗る妙齢の女性たちが続々あらわれて......というのが大まかなあらすじ。 これはあくまで推測ですが、ムラサキカガミのサキが自分たちのことを都市伝説ではなく、都市伝鬼と訂正させたのは、おそらく一般的な都市伝説として噂話やバラエティ番組などで吹聴されている『M資金』『東京メトロ核シェルター説』『Wingdings』などといった、強烈なキャラクターが出てこない種類の都市伝説と一線を画すためなのでしょうか。 とにかく本作は突っ込みどころが多くて......と言うより、むしろ読者に突っ込ませることが目的なのでは? と思ってしまうほどで、読み進めながらも作者の『策略』に引っかかってしまいました。また、本作はコンセプトのレベルで柳田國男『遠野物語』の影響を受けているようなので、念のため言っておきますが、民俗学は都市伝説や妖怪についてのみを扱っているものではなく、人々の生活や風習、習慣、行動を体系化するものですからね。ご存知かとは思いますが。 もし続編が作られ、本が完成しつつある状態まで話が進展したら、都市伝鬼にまつわる情報源の提供者はどう表記するのだろう?というのが気になるところ。 まさか『本人から直接ヒアリングしました』とするのか? 落としどころをどう持っていくかは楽しみだったりします。 |