のはなしさん / 伊集院光
| ★★★★★ 事実は小説よりも若干奇なり 前作「のはなしに」から1年、配信媒体だったツーカーセルラー東京がKDDIに吸収され、電波が停波してから2年半。 総じて、大きく背伸びをする訳でもなく、「俺芸能人だぜ」みたいなトーンを出すわけでもなく、筆者が五感で感じた事をそのまま文章という一次元のものに変換しただけなのだが、実は変に話を盛ったり作ったりするよりもかなり難しかったりするし、それをさらっとやってしまうのは相変わらず凄いところ。 『こいつ、一番最初の話だけ読んでレビューを書きやがったな。』という邪推をされることを覚悟の上で触れるが、一番良い話だなと思ったのは、『「愛だの恋だの」の話』。TVのトーク番組やバラエティ番組で、『男は誰しも浮気をする生き物』みたいなトーンで話が展開するたびに、「あまりおねえさんを選り好みするような立場ではない」小生としては、著者と同様、リアリティを感じないどころかちょっとしたフニオチ感を覚えていたのだが、著者や、著者の取り巻きの反応、著者が出演する番組を観た視聴者からの手紙のくだりで、自分の感覚が決しておかしいものではないことに少し安心。 『「新幹線」の話』に関しては、昔自分も同じようなことを飛行機に乗っている時で考えていました。飛行機が透明だと仮定し、時速900km/hで移動しながら上空10000フィートの上で眠りこけたり「タダだから」という理由で何杯もジントニックを飲んでほろ酔い状態になったり、Beef or Chicken?の問いにドキマギしている状態で空を飛び続けている画。そしてふと右上を見ると、同じような光景が違う高度で繰り広げられていたりするのを想像すると案外面白い。 『「タン塩」の話』も、焼肉屋に行くたびに、タン塩に載っていたネギが重力に負けて網目をすり抜けてしまい、筆者同様、毎回しょんぼりしていたのだが、「この手があったか!!」と思わず感心。早いところ、たまに行く焼肉屋でも導入して欲しいものだ。 |