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1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター / 五十嵐貴久

★★★★★
1995年のバタフライエフェクト

『人並み』に大学を出て、就職して、結婚して、寿退社して、子供を産み育ててきた、所謂『普通の主婦』が、半分事故に遭ったかのように、破天荒な女友達に巻き込まれる形でバンドをすることになってしまう顛末を描いたお話。
1995年の2/3は日本の外にいたので、1995年の日本をリアルに感じていた訳ではないが、今は昔、旧小室ファミリーがミリオンセラーを連発していたことや、『芸能人は歯が命』のCMが流行していたこと、そして、あの当時はようやく女性が寿退社して普通の主婦になる以外の生き方が世間に浸透し始めていたこと。逆に言えば、絶対的に正しいと信じて疑わなかったものが大きな音をたてて崩れ、今まで以上に誰かに自らの運命を委ねるのではなく、自分の道は自分で切り開かなければ生きていけなくなったことは少なくとも理解していた。そして、その波がバンド活動という形で主人公に覆いかぶさって来て、慌てふためく一方で、自分自身の潜在的な気持ちに気付いていく過程がうまく描かれている。

そう言えば、本文では触れられてはいないが、作者が『Smoke on the water』を選んだのは、日本語直訳ロックの『王様』が、ディープパープルの歌詞を直訳して歌った『深紫伝説』がポテンヒットしたのが1995年であることに何か関係があったのだろうか。

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2009年4月 8日 06:24に投稿されたエントリーのページです。

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