| ★★★★★ アニメーション版の補足に まず、 相手のことが好きで好きで仕方がないにも関わらず、うっすらと、この人とは一緒になれないと感じた瞬間の切なさや、その一方でそれを認めたくないという想い。時として酷な結果を突き付ける時間や運命の描き方が秀逸で、読後は切なさで胸が締め付けられるような感覚に陥った。 小説版においては、アニメーション版ではあまり触れられていなかった、中学生になった遠野貴樹が篠原明里に会いに栃木に向かう際、埼京線の中での、長野から東京に引っ越して来た時の思い出とのオーバーラップや、澄田花苗と姉とのやり取り。大学進学のために再度上京した遠野貴樹が東京でどう生きてきたかなどといったバックグラウンドやディテールが描写されており、アニメーション版と小説版とで相互補完されている仕組みになっている。 また、自分自身の勝手な想いであることは百も承知だが、自身の遠い学生時代に、好きだった女の子とは片想いのまま終わり、この物語のように仲むつまじく様々な思い出を共有したことは無かったけど、街で学生服姿の男女のカップルを見るたびに、これから先、いかなる結果を迎えようと、彼等にとってこの瞬間が一生の宝物になるよう願わずにはいられなくなりました。 |