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恋文の技術 / 森見登美彦

★★★★★
往復書簡の片道分

修士課程の研究のため、京都から能登半島に飛ばされた大学院生・守田一郎(チェリーボーイ)が、京都でかかわって来た人たちと、研究以外の愉しみと、寂しさを紛らわす手段として往復書簡を交わすという体で物語が進んでいく。
手紙を通じて、自分の好きな人に恋文が書けない、書けてもとんでもないものができてしまうくだりは、ウブでチェリーボーイだったあの頃の自分とオーバーラップしてしまう。
それでいて、大学院の修士課程という立場にありながら、主人公・守田と友人の小松崎は完全に『中二病』を患っているが、男と言うのはいつまで経っても、表に出す出さないは別として、つくづく女性に呆れられるライフスタイルを実践する生き物なんだろうなぁと改めて感じた。
また、昔、みうらじゅん氏が「童貞である期間が長い人ほど、クリエイティヴかつ知的な職業に就く割合が大きい」と言っていたことを思い出す。童貞を患っている主人公が文通に昇華し続ける理由は、きっとこのあたりにあるのかも知れない。

これを言ってしまえば元も子もないが、主人公の妹が言うように、結局のところは自分の想いを伝えるには、一対一で直接会ってお話した方がよろしいかと。
素朴な疑問として思ったのは、新人作家や文学賞応募作品で使うのは薦められていない、作者本人が登場するというくだりが許されたのは、それなりの作家であると世間に認められたということなのだろうか?

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2009年08月27日 00:52に投稿されたエントリーのページです。

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