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それでも町は廻っている 8 / 石黒正数

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歩鳥の願いとは裏腹に…

あとがきで著者が述べているように、第8巻は歩鳥でもどうにもならない事を描いた話が収められており、第7巻第55話(時は待ってくれない)での「商店街もみんな今の感じが続くといいなっ…っていうか…誰にも嫌な事が起こらず誰ひとり欠けてほしくなくて…」という歩鳥の願いとは裏腹に、商店街のラーメン屋が店じまいしてしまう第65話(さよなら麺類)は、自分の意思とは関係なく、自分の周囲が少しずつ変わっていく様を端的に描いたお話(実はラーメン屋以外にも、シーサイドにもちょっとした変化があるようですが、それが何かは探してみてください)。
時が過ぎて、自身の置かれている立場が変わったり、人それぞれが意思を持ち、自身の目的に沿って生きている限り、誰がどんなに変わらないことを望んでも、それは無理な相談である事を再認識させてくれる。個人的な事を言えば、10年前と今の小生を中心とした相関図は全く異なっているし、20年以上前に通った通学路の里芋畑は今は一戸建てやマンションが並ぶ住宅地だ。

他の話においても、第61話(大怪獣 尾谷高に現わる)は、3年生になった歩鳥が映画研究会の新入部員勧誘用ショートフィルムの撮影を手伝ったことがきっかけとなって起きた騒動を描いたもの。歩鳥の推理が冴えわたり、事件は8割がた解決したが、残りは歩鳥でもどうしようもないことだったり、第62話(踊る大捜査網)においては、安楽椅子探偵を気取りながらも実は弟・猛の手のひらで踊らされているなど、タイトル(それでも町は廻っている)に含められた意味の一部を知った気がしました。当然著者の事ですから、ダブルミーニングどころか、トリプルミーニング以上のものが含まれているのでしょうけど。

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2011年2月21日 00:15に投稿されたエントリーのページです。

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